ブスの考察〜宇宙を駆けるよだかや美醜をテーマにした書籍5選〜

AbemaTV で放映おぎやはぎが司会の「ブステレビ」。名前のとおり、ブスが出演する番組。ブスの水着ショーや、ブス総選挙、ブスの恋愛妄想話から、ブスの性体験話などが繰り広げられる。……なんというかブスが捨て身すぎるカオスな番組。

 

『ブス』とは?

 さて、ブスの語源に少し触れてみたいと思います。

ブス(附子)とはトリカブトの猛毒で、人から憎み嫌われることから附子顔と呼ばれたことが語源。現在は女性に使われる言葉だが、幕末以前では男女とも使われていた言葉だとか。


「ブステレビ」では、どちらが『ブス』か?足の引っ張り合いをしたり、耳を塞ぎたくなくなる猥談など…ブスたちがイキイキと輝く姿が見られます。

そんな輝くブスたちですが、歴史を遡るとかつてはブスたちが冷遇された時代がありました。それは、平安時代の貴族のブス。

当時、どんなに地位が高くても容姿が醜い者は出世できず、忌み嫌われ笑い者にされていました。それはブスに限らずブ男も同様で、職業も行動範囲も限られていました。


しかし、女と違いブ男には挽回のチャンスがあります。男は知識と学問があれば、出世でき社会的に認められるのです。 

女性はブスを化粧や着物でカバーすることは出来るけど、男性は誤魔化しは効かないから内面で勝負といったところでしょうか。

ブス論 (ちくま文庫)

ブス論 (ちくま文庫)

 

ブスについて掘り下げた、古典エッセイスト大塚ひかり著「ブス論」は、ブス論だけでなくジェンダーについても考えさせられる一冊です。


もしも、ブスと美人が入れ替わったら

美人とブスが入れ替わりを描いた少女マンガがある。集英社マーガレットコミックス「宇宙(そら)駆けるよだか」

たまに電子書籍でキャンペーンで1巻な無料で読めます。

宇宙を駆けるよだか 1 (マーガレットコミックス)
 


主人公の小日向あゆみは、クラスで人気の美少女。恋人やクラスメイトに囲まれ順風満帆な学校生活を送っていた。しかし、ある日突然、クラスの片隅いるブスで根暗な海根然子と人格が入れ替わってしまう。然子となったあゆみは、持ち前の明るさで入れ替わりの真相を究明していく。

もう1人の主人公・然子は、醜い容姿から世間や学校から、蔑まされ爪弾きにされてきました。その事から何に対しても卑屈になっていたが、片思いだったあゆみの恋人・に助けられたことで、彼を愛するようになります。然子は思います。「美しくなければ、愛されない」と。

あゆみという美しい外見を手に入れた然子ですが、心は満たされません。美しさと引き換えにらどんどん心が醜くなっていくのです。
これが「性格ブス」というやつです。
この性格ブスの起源は「悪女」にあると言われます。悪女の登場は能や絵巻物。そこで描かれた悪女はブスではない。男を誘惑する「心の悪い女」を「悪女」と呼ぶ。性格ブスという言葉はここから誕生しているのです。


作品の個人的な意見を言わせてもらうと、あゆみは生まれ持っての美人なのでブスに入れ替わっても、本当の意味で然子を理解していないと思います。私はあゆみのもっと苦しむ姿を見たかった…。そして、それを突き抜けて大人になって欲しいと思う。

 

追記・Netflixにて実写化ドラマで配信しており、こちらも面白いです。あらためて映像で見てやはり私はたとえブスでも好きでいてくれる火賀くん派だなと思いました。


美人がブスになる時、世間の風当たりが強くなる。

「美人薄命」「女の命は短い」という言葉があるように、若さはいつまでも永遠ではありません。

ちなみに、日本最古のブスは日本神話の女神イザナギ。元は絶世の美女が死後に身体が腐乱した姿になった。その醜さに驚き、夫が逃げ出したほど。

ブスの本懐

ブスの本懐

 

また、カレー沢薫著「ブスの本懐」で『世間は女の老化に厳しく、特に美人の老化はブス以上に世間の風当たりが強い』と述べています。

 

老いも若きも皆、美醜に翻されています。
そして、ついにブスたちの堪忍袋の尾がブチ切れました。

 

ブスの逆襲を描いた少女漫画

小学館から発行されているワケあり女子白書シリーズ「声以外ブス〜見果てぬ夢を追いかけて〜」
衝撃的なタイトルと、表紙のイラストに思わず笑いました。

 

コールセンターで働く派遣のマナミ。努力で勝ち取った話術と美声で職場から一目置かれる存在。しかし、自分の顔にコンプレックスを抱えていることから、自信が持てない。そんな中、職場のイケメンからアプローチされて…

マナミが本来持っている『美点』に気がついた時、思わぬ人生の道が開かれることになります。ぜひ、マナミが取った行動を漫画を読んで確かめて欲しいです。

 

ブスを笑うアプリ

「おかめ」「お多福」ていう言葉。現在ではおめでたい意味で使われていますが、本来は醜い顔の女性に対して使う屈辱語だったそうです。

そう考えると目隠ししながら、おかめ、お多福と呼ばれる輪郭の上に顔パーツをはめ込みお正月の遊ぶ「福笑い」も、おそらくブスを笑う遊びだったのかなと思います。

顔のパーツをいじくって楽しむことは、現代でも変わらず存在します。それは自分の顔や人を老いた姿が見れるアプリ。

https://itunes.apple.com/jp/app/%E8%80%81%E3%81%91-%E9%A1%94-%E9%9D%A2%E7%99%BD%E3%81%84-%E3%82%B7%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC-%E3%83%88%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A5/id1137978019?mt=8&uo=4&at=10l8JW&ct=hatenablog

私はこのアプリを知った時、自分の醜い顔をみてもどこが楽しいのか?と疑問に思って
調べてみるとNiver まとめでは、一時世間を騒がせた、小保方さんや野々村元議員などのが紹介されていました。「面白アプリ」の位置づけでした。

 

 

美しさと醜さは表裏一体。
時に人々を魅了し目が離せなくなる。しかし、一歩踏み外したら良い意味でも悪い意味でも笑い者にされる、とてもナイーブだけど、何故か気になってしまう。人間の本能なのかもしれません。