ヨーロッパの花祭り・インフィオラータ〜儚い命を愛おしむエフェメラルアートとは〜
フラワーカーペットの上を歩く花祭り・インフィオラータ
インフィオラータとは、ヨーロッパ各地で行われるお花のお祭りです。イエスキリストの復活際から60日後に行う「聖体祭」を記念し開催します。
教会までの道のりを、花びらを敷き詰めたフラワーカーペットを作り、その上を司教たちが歩きます。
インフィオラータが出来るまで
フラワーカーペットは、市民によって描かれます。制作工程は、まず原寸大に引き伸ばした線画を道路に貼り付けます。チョークで地面に下書きすることもあります。
下絵に色付きの砂・カラーサンドを置き原画に合わせて色をつけます。
色ごとに仕分けした花を、写真のように敷きつめていきます。
完成!制作時間は約5時間。
フラワーカーペット制作後、数時間or数日中にはあっという間に壊されてしまう。
市民が時間を掛けて描いたフラワーカーペットを、司教たちのパレードで通った後、子どもたちによってあっという間に崩されてしまいます。写真を撮るヒマすらないそうです。なんてもったいない…
瞬間の美しさを愛おしむエフェメラルアート
インフィオラータは、エフェメラルアート(儚い命)と呼ばれ、その瞬間の美しさを愛おしむため世界中から観光客が訪れます。
チベットの僧侶が1ヶ月掛けて描く「砂曼荼羅」との共通点
インフィオラータとに似てるなと思ったのが、僧侶が砂で描く「砂曼荼羅(まんだら)」です。
チベットの僧侶が1ヶ月も掛けて描いた砂曼荼羅を完成後すぐに崩してしまいます。
それは何故かというと「形あるものは絶えず変化し続け、永遠ではない」という諸行無常の教えから来るとか。
形あるものは壊れる…そしてその瞬間を楽しむ。お花の祭典「インフィオラータ」と、チベットの「砂曼荼羅」。国も言葉も違えど、辿り着く先は同じ…
美しさとは、脆く儚く、時に心に深く訴える。
なんだかとても奥深い。美しさの一瞬、一瞬を感じて生きたいものですね…