[針とマッサージを体験]その効果と感想&マッサージ業界の裏側を知る
今回、針とマッサージを体験+私がマッサージ対する想いを整体師さんにぶつけてみました。
デスクワークで肩首がガチガチで、そのコリからの頭痛、ひどい時は目眩と吐き気、終いには音が聞こえにくくなったりとして、2年くらい前から鍼灸マッサージへ通いはじめました。
なるべく運動をするように心がけているのですが、やはり仕事が忙しいとなると怠ってしまいがち。
今日も頭痛がヒドイのと、もともと胃腸が弱く、つい先日はウィルス性の風邪で胃腸をやられました。また、一番最悪な時期はインフルエンザの予防接種で、一週間お腹を下してしまったりもします。
そんな訳で、コリも胃腸弱体質も治してもらっちゃお♫…みたいなノリで、奮発して、針とマッサージのダブルで施術しました。
針治療はWHO(世界保健機関)が認めている
針と聞いて「本当に効果があるの?」とお思いの方がいるかもしれません。ところがどっこい1979年WHO(世界保健機関)が針治療を認めています。ただし、臨床試験では一部ツボの効果は確かな裏付けが出来ていないのも事実です。…宇宙や深海が未だ謎だらな中、私たち身体も未知とは…なにか自然と人体の神秘を感じてとても興味深い。
針治療の基礎知識
私たちの身体には経絡(けいらく)という、血液や水、気などが流れる通り道があります。この経絡の流れ道は全部で14本あり、その中に経穴(けいけつ)が存在します。 経穴というのはいわゆるツボのことです。以下、経穴をツボと呼びます。
整体師の方に経絡とツボについて、分かりやすく教えていただきました。
「経絡は路線。ツボは駅と考えるます。例えると、JR山手線が経絡で原宿駅がツボです。」
「その駅という名のツボに針を打って、筋肉を傷つけて刺激を与え、血行を促して行きます。ただし、教科書どおりツボに打つだけでは治りません。例えば、足に胃腸に効くツボがあるのですが、そこに打つと胃酸が活発になり調子が良くなります。ですが、胃潰瘍の人にすると逆効果なんですよ。
患者さんの健康状態に適したツボを見つけてあげるのが私たちの仕事です」
治療スタート
さて、施術用の服に着替えて、寝台にうつぶせになり、軽くマッサージしてから針治療をスタート。
直径1.08mの針をツボに刺していきます。針が皮膚に当たる瞬間が一番緊張します。針先が当たるだけで反射的にびくっとなり、皮膚に針がちょんちょんと軽くめり込み、そしてズンズンと筋肉に重く刺さっていく感覚。身体に力が入っているせいか時々痛いツボがあり、そんな時は位置をずらしてもらいます。そして針を打っただけでは終わりません。針一本一本に電気をつけて、微弱な電流で刺激を与えるのです。
「弱くもなく、強くもなく、ちょうど良いところで言ってくださいね」
微弱な電流が針を通して身体に伝わってきます。なんとなく、直感的にこれくらいかな?というタイミングで電流の強さを決めていきます。身体の部位を順番に流し終わり、しばらく経って落ちついてくると、感覚が研ぎ澄まされていきます。
筋肉が「ぴくっ」と動いた瞬間、針が打たれるように「どくん」押される感覚。最初は耐えらるのですが、これが10分以上に続くと辛くなっていきます。そんな時は電流を弱めてもらうのですが、余裕がなくなってきます。
そんな中、私の気を紛らわせてくれるかのように整体師さんはこんな事を話してくれました。
胃腸のツボは身体のいたるところに存在する
胃腸のツボは全身にある。頭のてっぺん、背中から腰にかけて、そして足まで。
今回私は、頭部と腰に打ってもらいました。
百会(ひゃくえ)
頭頂にあるツボで胃腸だけでなく、自律神経、肩こり、頭痛などに効く万能のツボ。、整体師さん曰く「とりあえずここに打っとけばハズレはないという整体師が多いです」
…どうやら鉄板なツボらしい。ちなみに、頭頂は刺されも痛くありませんでした。ただ抜いた直後頭がかゆかった。
背骨周りには胃につながる神経がある
背骨周りには胃につながる神経が、背骨と平行に走っているそうです。そこに針を打つことで胃腸の調子を良くします。今回、整体師さんに二か所のツボを教えていただきました。
肝兪(かんゆ)
肝臓や胃痛などの整える効果があるツボ。(図上)
脾兪(ひゆ)
胃腸の働きを良くして、消化不良や・食欲不振に効果があります。(図下)
針治療後、カチカチだった身体がほぐれるが新たなコリが出現…
さて針治療は終わり、首肩腰ともにカチカチだったのが、針治療後硬さがなくなりましたが、その奥に眠っていたコリが出て来ました。これから本格的なマッサージへ移りコリをほぐしてもらいます。
整体師さんにいろいろ聞いてみた
針治療している時と違って、整体師さんとお話する余裕があります。これを機会に、私がマッサージについて兼ねてから思っていたことを吐露しました。
実は、私、以前はマッサージ師の資格を取ろうとしていた時期がありました。マッサージするだけで、症状を和らげたり、治してしまう、そんな神の手に憧れていましたし、身体の仕組みにも興味があったからです。それに、今の仕事や会社がいつどうなるか分かりませんし、資格を持っていれば食いぶちに困らないのでは…なんて漠然と安易に思っていたのです。
すると、整体師さんはこんな現実を語ってくれました。
「鍼灸マッサージ店で開業している70%は月給5万って知ってます?」
なんと!それって赤字どころの騒ぎではなく、死活問題では⁉︎
「生き延びるのは本当に大変なんです。私は、なんとかやってこれました。
それに、資格を取って働いてもやめてしまう人が多いんですよ。従業員が複数いる店舗の場合、ベテランはお客さんの指名を取りたいがために、新人に技術を教えません。施術中も見せてくれません。だから、新人はお客が付かず、稼げなくて辞めてしまう…」
お店ごとに給与形態は違うでしょうが、新人に技術を教えないし、見せてもくれないなんて……ブラックだわ。
「資格をとるのも大変です。まずはを206本の骨を知り、繋ぎ合わせると地球2周分ある血管を知り、600を超える筋肉を知る。つまり、人体の仕組みを分かっていなければ、施術はできません。覚えることがたくさんありすぎて、諦めてしまう人が多いです」
…レオナルド・ダ・ヴィンチは人を描くために、人体を解剖しました。それに通じるものがあると思いました。私も絵を描くのですが、モノの仕組み、材質、光の反射などを観察します。それが、なかなか難しいのです。
私は整体師さんの話を聞いていかに安易に、資格を取りたいなどと口にしていたか思い知りました。
感想
施術が終わり、肩がふわっと!そして全身ポカポカ。翌日、ちょっと筋肉痛っぽい感覚がありますが、それを過ぎると調子が出てきます。2週間以上経ったいまでも持続している気がします。胃腸の調子は、実のところまあまあです。しかし、針&マッサージは効果は持続時間が長いので、マッサージだけでは効果が薄い方にオススメです!